咄嗟に頭をフル回転させて、打開案を探した。すると、あることを思い出したのだ。
「私に要求する前に、報告することがあるのではなくて?」
「……護衛対象は上司でも主でもない、と言っていたではありませんか」
「揚げ足を取らないで。私は命の危機に遭ったのよ。聞く権利があるわ。また内緒にするの?」
「いえ、同じ過ちは犯しません。ただ、リュシアナ様の口から聞きたかったもので……」
うっ。急に甘えられて困惑した。今まではミサも一緒にいたからなのか、護衛らしく硬い印象を抱いていた。それが今はどうだ。気持ちが通じ合ったのを機に、ドーベルマンからプードルになったかのように感じた。いや、髪の色を考えると、ハスキーかな。
う~ん、そのたとえは言い過ぎかも。私は一旦、心をリセットした。
「報告をしてくれたら考えるわ」
「つまり、俺次第、ということですか?」
「えぇ。さっきも言ったように、また同じ過ちを繰り返したら――……」
「わ、分かりました。けれどリュシアナ様も、忘れないでくださいね」
カイルはさらに念を押すように言ってから、ようやく話し始めた。
「私に要求する前に、報告することがあるのではなくて?」
「……護衛対象は上司でも主でもない、と言っていたではありませんか」
「揚げ足を取らないで。私は命の危機に遭ったのよ。聞く権利があるわ。また内緒にするの?」
「いえ、同じ過ちは犯しません。ただ、リュシアナ様の口から聞きたかったもので……」
うっ。急に甘えられて困惑した。今まではミサも一緒にいたからなのか、護衛らしく硬い印象を抱いていた。それが今はどうだ。気持ちが通じ合ったのを機に、ドーベルマンからプードルになったかのように感じた。いや、髪の色を考えると、ハスキーかな。
う~ん、そのたとえは言い過ぎかも。私は一旦、心をリセットした。
「報告をしてくれたら考えるわ」
「つまり、俺次第、ということですか?」
「えぇ。さっきも言ったように、また同じ過ちを繰り返したら――……」
「わ、分かりました。けれどリュシアナ様も、忘れないでくださいね」
カイルはさらに念を押すように言ってから、ようやく話し始めた。



