「えっ!? ご、ごめんなさい」
驚いてすぐに手を離そうとするものの、なぜか動いてくれなかった。
カイルの邪魔をしたくないのに、どうして?
「それだけ、リュシアナ様を怖がらせてしまったようですね。正直、今のリュシアナ様を一人にさせたくはないのですが」
「だ、ダメよ! ちゃんと状況を確認してきて。そうでないと、私も安心できないわ」
と言いつつも、私の手はカイルを引き止め続けている。
「……ごめんなさい。わざとではないの」
「分かっています。逆に俺の方が、離れ難くなってしょうがないので。抱きしめてもいいでしょうか」
「っ!」
カイルは返事を待たずに私を抱きしめた。不意を突かれたからなのか。一瞬手が離れ、カイルはその隙をつき、私を馬車の中に残して行ってしまった。
名残惜しいとは思うけれど、カイルなりに私を傷つけないやり方だったのだろう。胸に手を当てながら、戻ってくるのを待った。
驚いてすぐに手を離そうとするものの、なぜか動いてくれなかった。
カイルの邪魔をしたくないのに、どうして?
「それだけ、リュシアナ様を怖がらせてしまったようですね。正直、今のリュシアナ様を一人にさせたくはないのですが」
「だ、ダメよ! ちゃんと状況を確認してきて。そうでないと、私も安心できないわ」
と言いつつも、私の手はカイルを引き止め続けている。
「……ごめんなさい。わざとではないの」
「分かっています。逆に俺の方が、離れ難くなってしょうがないので。抱きしめてもいいでしょうか」
「っ!」
カイルは返事を待たずに私を抱きしめた。不意を突かれたからなのか。一瞬手が離れ、カイルはその隙をつき、私を馬車の中に残して行ってしまった。
名残惜しいとは思うけれど、カイルなりに私を傷つけないやり方だったのだろう。胸に手を当てながら、戻ってくるのを待った。



