だから大丈夫だとは思うものの、聞こえてくる金属音や雄叫び、断末魔の他に、時折、揺れる馬車に悲鳴を上げそうになった。
ダメ。この馬車に私が乗っていることを、相手に知らせないようにしてくれたのに、声を出すなんて……でも、怖い!
「キャッ!」
馬車が倒れるかと思うほど、大きく揺れた。咄嗟に口を閉じるも、すでに出てしまった悲鳴に、背筋が凍った。さらに扉が開かれ、私は恐怖のあまり目を閉じた。
「リュシアナ様。もう大丈夫です」
聞き慣れた声。この世界で初めて目を覚ました時、慌てるミサと違い、私を安心させるかのように優しく声をかけてくれたから、間違えることはない。
私はゆっくりと目を開けて、確かめた。髪がアイスブルーであること、瞳の色が深緑色であることを。それを示す人物は一人しかいない。
「……カイル? どう、して?」
嬉しい反面、本当にカイルなのか、確かめたくなった。
ダメ。この馬車に私が乗っていることを、相手に知らせないようにしてくれたのに、声を出すなんて……でも、怖い!
「キャッ!」
馬車が倒れるかと思うほど、大きく揺れた。咄嗟に口を閉じるも、すでに出てしまった悲鳴に、背筋が凍った。さらに扉が開かれ、私は恐怖のあまり目を閉じた。
「リュシアナ様。もう大丈夫です」
聞き慣れた声。この世界で初めて目を覚ました時、慌てるミサと違い、私を安心させるかのように優しく声をかけてくれたから、間違えることはない。
私はゆっくりと目を開けて、確かめた。髪がアイスブルーであること、瞳の色が深緑色であることを。それを示す人物は一人しかいない。
「……カイル? どう、して?」
嬉しい反面、本当にカイルなのか、確かめたくなった。



