「陛下……これは!」
一見、クラリーチェ殿下の恨み節に見えるが、これは明らかに亡き王妃の殺害を認めた証拠である。しかしここにはリュシアナ様を狙う文脈はない。
「持って行け。今の私では、これを活用することはできない。オクタヴィアの殺害の犯人を知りながらも、裁けずにいたのだからな。それを知っている臣下たちもいる」
「どういうことですか? 陛下が王妃様を大事に想われていたからこそ、リュシアナ様を……」
「そうだ。あの子はオクタヴィアによく似ている。年齢が上がるにつれて、性格まで似てきた」
懐かしむように、陛下は執務机の上にある額に手を伸ばした。ここからでは見えないが、おそらく亡き王妃の絵が入っているのだろう。
「あの時、オクタヴィアを殺害した犯人はすぐに判明した。クラリーチェも当時、九歳だ。色々と穴があってな。簡単に割り出せた。しかしクラリーチェが幼かったため、側室が庇い、二度と表舞台には立たず、死んだように生きると言ったから見逃したのだ。そうしなければ、すぐにリュシアナを狙っていたかもしれなかったのでな」
一見、クラリーチェ殿下の恨み節に見えるが、これは明らかに亡き王妃の殺害を認めた証拠である。しかしここにはリュシアナ様を狙う文脈はない。
「持って行け。今の私では、これを活用することはできない。オクタヴィアの殺害の犯人を知りながらも、裁けずにいたのだからな。それを知っている臣下たちもいる」
「どういうことですか? 陛下が王妃様を大事に想われていたからこそ、リュシアナ様を……」
「そうだ。あの子はオクタヴィアによく似ている。年齢が上がるにつれて、性格まで似てきた」
懐かしむように、陛下は執務机の上にある額に手を伸ばした。ここからでは見えないが、おそらく亡き王妃の絵が入っているのだろう。
「あの時、オクタヴィアを殺害した犯人はすぐに判明した。クラリーチェも当時、九歳だ。色々と穴があってな。簡単に割り出せた。しかしクラリーチェが幼かったため、側室が庇い、二度と表舞台には立たず、死んだように生きると言ったから見逃したのだ。そうしなければ、すぐにリュシアナを狙っていたかもしれなかったのでな」



