転生王女の私はタロットで生き延びます~護衛騎士様が過保護すぎて困ります~

「つまり、何がいいたいか分かるな、リュシアナ」
「はい。すべて私の責任です」
「陛下! それは違います! リュシアナ様はクラリーチェ殿下の幸せを願っただけです!」

 カイルが私の横に来るほど前へ出て、お父様に抗議をした。さっき、あれほどカイルを責めたのに、私を庇うなんて……抱きつきたくなるほど嬉しかった。
 私は感情を押し殺すために目を瞑った。

「いいのよ、カイル。お父様はその責任を私に課すために、ここへ来たのだから。そうですよね」
「あぁ。王族として、またクラリーチェに占った責任として、リュシアナに命じる」

 私は膝の上にある手を握りしめた。

「ノルヴィア帝国との戦争、我がアルフェリオン王国の運命を占え」
「それは……占えません」
「なんだと! 民には散々占っておいて、国のために占えないとでもいうのか!?」
「違います。戦争ということは、多くの人の命運が左右されるからできないのです」

 占いにも禁忌とされていることがある。
 人の生死に関わること。
 試験やギャンブルなどの勝敗に関すること。
 犯罪に関すること。

 他にも色々あるけれど、お父様が私に命じているのは、すべてこれに該当する。占える、わけがない……!