「けれどその後、何度だって言うチャンスはあったはずです。今の私は、あの時の私ではありません! 王族として、受け入れる覚悟ができています」
「ならばその覚悟を見せてもらおうか」
「えっ……」
急にお父様の纏う空気が変わった。優しく、娘を思いやる父親から、威厳のある国王へと。
「今朝、ノルヴィア帝国から宣戦布告の書簡が届いた」
「どうしてですか? まさか、お姉様が?」
いや、あり得る。だってお父様はそれを危惧していたから、お姉様を遠ざけたのだ。
「これもまた、復讐なのだろうな。夫となった皇太子を唆し、祖国に戦争を仕掛け、滅亡を企てる。気がついた時にはすでに、トリヴェル侯爵邸はもぬけの殻だった。側室も王宮から姿を消している」
「……それだけ、お姉様が本気だということですか?」
「だろうな。おそらくクラリーチェはリュシアナの占いでヒントを得たのだろう。覚えているか? あの時、クラリーチェは決心がついた、と言ったのだ」
覚えている。私はその言葉を、結婚に当てはめたからだ。けれどお姉様は、アルフェリオン王国を滅亡させる決心がついた、と受け取っていたなんて……。
「ならばその覚悟を見せてもらおうか」
「えっ……」
急にお父様の纏う空気が変わった。優しく、娘を思いやる父親から、威厳のある国王へと。
「今朝、ノルヴィア帝国から宣戦布告の書簡が届いた」
「どうしてですか? まさか、お姉様が?」
いや、あり得る。だってお父様はそれを危惧していたから、お姉様を遠ざけたのだ。
「これもまた、復讐なのだろうな。夫となった皇太子を唆し、祖国に戦争を仕掛け、滅亡を企てる。気がついた時にはすでに、トリヴェル侯爵邸はもぬけの殻だった。側室も王宮から姿を消している」
「……それだけ、お姉様が本気だということですか?」
「だろうな。おそらくクラリーチェはリュシアナの占いでヒントを得たのだろう。覚えているか? あの時、クラリーチェは決心がついた、と言ったのだ」
覚えている。私はその言葉を、結婚に当てはめたからだ。けれどお姉様は、アルフェリオン王国を滅亡させる決心がついた、と受け取っていたなんて……。



