「嫁ぐ前に、元気になったリュシアナを見られて良かったです。これで心置きなく、お役目を全うできそうですから」
「ふむ。任せたぞ」
「お姉様……!」
扉に向かうお姉様の後を追おうと立ち上がるが、お兄様に手を掴まれた。
「リュシアナは病み上がりなんだ。無理に追うことはない」
その冷たい物言いが、まさに王宮内でのお姉様の立場を示しているようだった。
「ダメ……お姉様を追わないと……いけないような気がする」
「リュシアナ? どうしたんだ?」
私はお兄様の手が緩んだ瞬間、扉に向かって歩き出す。お姉様がどこへ向かったのかは分からない。だけど今、仲直りをしなければ、取り返しがつかないような気がしたのだ。
その意味や内容を、うまく言語化できない……だって理屈じゃないから。
扉の前に誰かがいるような気がしたが、私は関係なく手を伸ばす。けれどその手が扉に触れる前に、視界が揺らいだ。途端、そのまま意識が途切れた。
「ふむ。任せたぞ」
「お姉様……!」
扉に向かうお姉様の後を追おうと立ち上がるが、お兄様に手を掴まれた。
「リュシアナは病み上がりなんだ。無理に追うことはない」
その冷たい物言いが、まさに王宮内でのお姉様の立場を示しているようだった。
「ダメ……お姉様を追わないと……いけないような気がする」
「リュシアナ? どうしたんだ?」
私はお兄様の手が緩んだ瞬間、扉に向かって歩き出す。お姉様がどこへ向かったのかは分からない。だけど今、仲直りをしなければ、取り返しがつかないような気がしたのだ。
その意味や内容を、うまく言語化できない……だって理屈じゃないから。
扉の前に誰かがいるような気がしたが、私は関係なく手を伸ばす。けれどその手が扉に触れる前に、視界が揺らいだ。途端、そのまま意識が途切れた。



