王妃である私とお兄様のお母様は体が弱く。それを理由に、無理やり押しつけられるようにして、お姉様の母親は王宮に入ったというのだ。
だから王室内でのお姉様の立場は弱い。お母様が亡くなったからといっても、王妃の座は空席のまま。お姉様の母親も側室のままからだった。
この度の結婚も、都合の良い厄介払いをされたのだ、と王宮内では囁かれているという。
なにせ相手方が望んだのは、王妃が産んだ姫。それなのにお父様が差し出したのは、私ではなくお姉様だったのだ。
彼女の言う通り、仲の良い姉妹ではなかったことは明白。お兄様の無神経さが際立つ結果となった。いや、お兄様は顔だけでなく、性格もお父様に似ているのだろう。平気でそう言えてしまえるのだから。
「……私は、それでもお姉様が来てくださって嬉しいです」
「っ! 記憶を失ったと聞きましたが、以前と変わらぬ優しい妹で、私も安心しましたわ」
その瞬間、私は言葉を間違えたのだと悟った。お姉様は私を見ることなく立ち上がり、お父様に向かって言い放つ。
だから王室内でのお姉様の立場は弱い。お母様が亡くなったからといっても、王妃の座は空席のまま。お姉様の母親も側室のままからだった。
この度の結婚も、都合の良い厄介払いをされたのだ、と王宮内では囁かれているという。
なにせ相手方が望んだのは、王妃が産んだ姫。それなのにお父様が差し出したのは、私ではなくお姉様だったのだ。
彼女の言う通り、仲の良い姉妹ではなかったことは明白。お兄様の無神経さが際立つ結果となった。いや、お兄様は顔だけでなく、性格もお父様に似ているのだろう。平気でそう言えてしまえるのだから。
「……私は、それでもお姉様が来てくださって嬉しいです」
「っ! 記憶を失ったと聞きましたが、以前と変わらぬ優しい妹で、私も安心しましたわ」
その瞬間、私は言葉を間違えたのだと悟った。お姉様は私を見ることなく立ち上がり、お父様に向かって言い放つ。



