「では、どんなカードが出たのか、一緒にご覧になってみてください。シャッフルの時や並べた時など、お姉様もご覧になられていましたので、お分かりかと思いますが、一切細工はしておりません。よろしいですね」
「……えぇ。構わなくてよ」
私はお父様にも視線を向ける。すると、その背後には、いつの間にかお兄様の姿があった。私の驚く姿に「俺に気にせず始めてくれ」とばかりに頷かれた。
「まずは一枚目……カップの四の逆位置。これはお姉様の過去です。このカードは倦怠を意味していますが、逆に出たので解決策を見出した、とか変化の兆しがあったのではないでしょうか」
チラッとお姉様の方を見るが、カードをじっと見るだけで答えない。つまり、当たっている、ということかもしれなかった。
この結婚はある意味、この国からの脱出、とも取れるのだから、お姉様にとっては悪い話ではなかったのだろう。私は続けて二枚目を捲った。
「ワンドのエースの逆位置。こちらは現在。お姉様は今、迷いや不安があるのかもしれません。結婚に対して不安に感じない人はいませんから、当然の結果かと思われます」
「そうね。相手がどんな方なのか、聞かされていないのだから」
「えっ」
それはさすがに酷いのでは、とお父様とお兄様の方へと視線を向ける。案の定、顔を背けられた。
こういうことをするから、私への当たりが強くなるのだと、なぜ分からないのかしら。
「……えぇ。構わなくてよ」
私はお父様にも視線を向ける。すると、その背後には、いつの間にかお兄様の姿があった。私の驚く姿に「俺に気にせず始めてくれ」とばかりに頷かれた。
「まずは一枚目……カップの四の逆位置。これはお姉様の過去です。このカードは倦怠を意味していますが、逆に出たので解決策を見出した、とか変化の兆しがあったのではないでしょうか」
チラッとお姉様の方を見るが、カードをじっと見るだけで答えない。つまり、当たっている、ということかもしれなかった。
この結婚はある意味、この国からの脱出、とも取れるのだから、お姉様にとっては悪い話ではなかったのだろう。私は続けて二枚目を捲った。
「ワンドのエースの逆位置。こちらは現在。お姉様は今、迷いや不安があるのかもしれません。結婚に対して不安に感じない人はいませんから、当然の結果かと思われます」
「そうね。相手がどんな方なのか、聞かされていないのだから」
「えっ」
それはさすがに酷いのでは、とお父様とお兄様の方へと視線を向ける。案の定、顔を背けられた。
こういうことをするから、私への当たりが強くなるのだと、なぜ分からないのかしら。



