転生王女の私はタロットで生き延びます~護衛騎士様が過保護すぎて困ります~

 その日は結局、タリアを占った後、三人ほどで私の気力がダウンした。カイルの言う通り、一人一人質問の深掘りをしたせいだろう。

「申し訳ありません。私の配慮が足らず……」
「いいのよ。それだけ私の占いを喜んでくれた証でしょう?」

 何を占いたいのか聞いた時、お話をしている時、リーディングしている時など、様々な場面でミサの名前を聞いた。

『ミサが羨ましくて』『最近のミサは、本当に幸せそうで』『私もミサみたいに彼氏がほしいです!』

 そんなダイレクトなことも言われた。けれど私は占っただけで、ミサに近衛騎士団長を授けたわけではない。お父様のように、王命で「ミサとつき合いなさい」とは言っていないのだ。

 だから、事前に説明をしている。占いはあくまでも占いであり、願いが叶うために必要なことを答えているに過ぎない。過剰な期待はしないでほしい、とも。

「私もあなたたちのためにできることがある、と分かって嬉しいの」
「ですが、占った事例を作れば、今後もこのようなことは起きると思います」
「確かに、ヴァレンティア卿の言う通りかも。私、注意しに行ってきます」

 そんな大げさな、と思っていたら、その翌日の朝。また同じことが起こった。