転生王女の私はタロットで生き延びます~護衛騎士様が過保護すぎて困ります~

「聞きましょう。それは何かしら」
「私たちにも、占ってもらえないでしょうか」
「え? 占い?」
「はい。ミサは、リュシアナ様の占いで恋人ができた、と聞きました。だから私たちにも是非、ご助力いただきたく。そのお力をお貸し願えませんでしょうか」
「……ミサ~。黙っているように言わなかったかしら?」

 あの時お願いしたのは、お父様とお兄様に限定したことだったけど、他の者たちに言ったら、いずれ伝わってしまう。それが分からないミサだとは思えなかったのだ。

「すみません! あまりにも嬉しくて、つい……話してしまいました」
「その気持ちは分かるけど……」
「でしたら、私たちにもその恩恵を!」

 断れない圧を感じ、私は結局、彼女たちを占うことにした。ミサには責任を取って、順番や占う内容の聞き込みを事前に行うように命じた。

 今回は恋愛関係が主流だから、困った内容は出てこない、と思うけれど、念の為の処置だった。

 私は願いが叶うために必要なことを答えるつもりだけど、質問者の願いはまた別である。しかし、人の生死や病気、犯罪に関わることなどは答えられない。他にもあるが、大まかにいうとここら辺はダメだということをミサに伝えた。