「だったら、何も問題がないと思うけど」
「いいえ。その、俺の口から言うのは気が引けるのですが、ミサ殿は庶子なのです。だから王宮勤めをすることで、ご実家であるエルシオ伯爵家が身分を保証しているだけで、実際は……」
書類上では認めているけれど、エルシオ伯爵家内でミサは伯爵令嬢とは認めていない。ちょっと面倒だけど、そういうことかぁ。
「それなら尚更、近衛騎士団長がミサを迎え入れればいいのではなくて? ギクシャクする必要なんてないと思うわ」
「俺もそう思います。でも、なかなか難しいようですよ」
「どういうこと?」
「ミサ殿のアプローチの仕方がマズかった、というだけです」
カイルの話によれば、ミサは近衛騎士団長にアプローチをする、と断言したものの、勇気が出ず、友達を巻き込んだのだそうだ。それにより、アプローチをかける前に、近衛騎士団長の耳に入ってしまい、逆に受ける立場になったという。
さらに恋愛に奥手な二人、ということも相まって、周りが温かく見守っているのだとか。
「いいえ。その、俺の口から言うのは気が引けるのですが、ミサ殿は庶子なのです。だから王宮勤めをすることで、ご実家であるエルシオ伯爵家が身分を保証しているだけで、実際は……」
書類上では認めているけれど、エルシオ伯爵家内でミサは伯爵令嬢とは認めていない。ちょっと面倒だけど、そういうことかぁ。
「それなら尚更、近衛騎士団長がミサを迎え入れればいいのではなくて? ギクシャクする必要なんてないと思うわ」
「俺もそう思います。でも、なかなか難しいようですよ」
「どういうこと?」
「ミサ殿のアプローチの仕方がマズかった、というだけです」
カイルの話によれば、ミサは近衛騎士団長にアプローチをする、と断言したものの、勇気が出ず、友達を巻き込んだのだそうだ。それにより、アプローチをかける前に、近衛騎士団長の耳に入ってしまい、逆に受ける立場になったという。
さらに恋愛に奥手な二人、ということも相まって、周りが温かく見守っているのだとか。



