カイルは私が驚いている隙に、前に座ったことのあるベンチに腰を下ろした。勿論、そのままではない。ちゃんと隣に降ろしてくれたのだが……距離が近くて困ってしまう。
これもまた、私がやらかさないか、心配なんだろうと思うけど……ちょっと過保護すぎない!?
「えーっと、そうだ。ミサと近衛騎士団長の様子はどうなの? カイルは知っているのよね」
気恥ずかしくて、咄嗟に話題を提供して、空気を換えることにした。とはいえ、恋バナだから、さほど変化したようには感じなかった。
だって仕方がないでしょう! これくらいしか、共通の話題がないんだから!
「そうですね。本人たちはギクシャクしていますが、傍から見ていると、いい雰囲気に見えます」
「つまり、上手くいっている、ということ?」
「はい」
「でもギクシャクって?」
いい雰囲気、とも言っていたのに、おかしくない?
「それは純粋に、身分の差が関係しているからです」
「身分?」
そういえば私、ミサとカイルの身分を知らない。王宮での役職は王女付の侍女と護衛騎士だけど、ここは貴族社会。平民が王女の身の回りを世話するなんて、あり得なかった。
これもまた、私がやらかさないか、心配なんだろうと思うけど……ちょっと過保護すぎない!?
「えーっと、そうだ。ミサと近衛騎士団長の様子はどうなの? カイルは知っているのよね」
気恥ずかしくて、咄嗟に話題を提供して、空気を換えることにした。とはいえ、恋バナだから、さほど変化したようには感じなかった。
だって仕方がないでしょう! これくらいしか、共通の話題がないんだから!
「そうですね。本人たちはギクシャクしていますが、傍から見ていると、いい雰囲気に見えます」
「つまり、上手くいっている、ということ?」
「はい」
「でもギクシャクって?」
いい雰囲気、とも言っていたのに、おかしくない?
「それは純粋に、身分の差が関係しているからです」
「身分?」
そういえば私、ミサとカイルの身分を知らない。王宮での役職は王女付の侍女と護衛騎士だけど、ここは貴族社会。平民が王女の身の回りを世話するなんて、あり得なかった。



