なぜかしら。変なことを言った覚えはないんだけど……。
その時の私は、ただそう思い込んでいた。カイルは私を心配……いや、気遣うミサを止めてくれたのだから、と。
目を覚ましてから、色々あり過ぎて深く考えられなかった、というのもある。しかし翌日もまた、カイルのため息が聞こえてくるような出来事が起きた。
そう、私の状況を聞いた『陛下』が、おそらく兄弟だと思われる人物たちと一緒にやってきたのだ。
ミサから事前に聞いた特長を持った人たちが、私の部屋に入ってくる。
いくら家族といっても、王族を相手にするのだ。椅子に座ったまま、というのも失礼だと思い、挨拶をしようと立ち上がった。すると一番先頭にいた、ネイビーの髪をした年配の男性が、水色の瞳を見開き、慌てて私に駆け寄ってきた。
「目を覚ましたのは昨日なのだぞ。どうしてベッドにいない」
私の肩を掴みながら、扉の近くにいるミサと侍医を叱責する。事前に二人から、陛下……つまりリュシアナの父であり国王のフェルナンド・アルフェリオンが、彼女を大事にしていたのかを知らなかったら、逆に私の方が慌ててしまっていたことだろう。
その時の私は、ただそう思い込んでいた。カイルは私を心配……いや、気遣うミサを止めてくれたのだから、と。
目を覚ましてから、色々あり過ぎて深く考えられなかった、というのもある。しかし翌日もまた、カイルのため息が聞こえてくるような出来事が起きた。
そう、私の状況を聞いた『陛下』が、おそらく兄弟だと思われる人物たちと一緒にやってきたのだ。
ミサから事前に聞いた特長を持った人たちが、私の部屋に入ってくる。
いくら家族といっても、王族を相手にするのだ。椅子に座ったまま、というのも失礼だと思い、挨拶をしようと立ち上がった。すると一番先頭にいた、ネイビーの髪をした年配の男性が、水色の瞳を見開き、慌てて私に駆け寄ってきた。
「目を覚ましたのは昨日なのだぞ。どうしてベッドにいない」
私の肩を掴みながら、扉の近くにいるミサと侍医を叱責する。事前に二人から、陛下……つまりリュシアナの父であり国王のフェルナンド・アルフェリオンが、彼女を大事にしていたのかを知らなかったら、逆に私の方が慌ててしまっていたことだろう。



