同期と私の、あと一歩の恋

会社に着くと、すぐに芹沢部長に呼ばれた。

「広瀬さん、例のキーホルダーの企画通ったよ」
「本当ですか⁉」

喜びのあまり、思わず大きな声を出してしまった。

「ああ。昨日、正式決定した」

部長の言葉に安堵の息を吐く。

緊張しながらも、スクィーズキーホルダーへの熱意を自分なりに伝えたことが報われた気がした。

「アンケート分析もハッシュタグの件も他の部署から好評だったよ。あそこで畳みかけるようなレアアイテムの提案もよかった」
「ありがとうございます!」
「近々、プロジェクトチームを結成するから引き続き頼むぞ」
「はい」

力強く頷いて自席に戻ると、心の中でガッツポーズする。

そうだ!
本田くんに報告しなきゃと思ったけど、タイミング悪く席を外していた。
彼は朝、休憩スペースでコーヒーを飲むのが日課になっている。
きっと今朝もいるだろう。
私は早く伝えたくて、弾むような足取りで休憩スペースに向かった。

目的地に着くと、椅子に座ってコーヒーを飲んでいる本田くんの姿があった。
他の社員は誰もおらず、静かな空間に彼一人だけ。

「本田くん、おはよう!」

明るく声をかけると、私に気づいた本田くんは笑顔になる。

「あ、広瀬。おはよう。朝から元気だな」
「あのね、例の企画通ったよ!」

興奮のあまり、いきなり本題を口にした。