不意打ちでそんなことを言うのはやめてほしい。
勘違いしてしまいそうで非常に困る。
本田くんは同期として、純粋な気持ちで言ったと思う。
でも、今の言葉は片想いしている私にとっては本当によくない。
私ひとり、動揺してドキドキしているんだから、ホントに罪作りな人だ。
私たちは二人きりで飲みに来ても、いつも他愛のない話や仕事のことばかりで、お互いの恋愛の話に触れることはしなかった。
本田くんの好きな人の話なんて聞きたくなかったから、私から恋愛の話を切り出すことはしなかった。
きっと彼は、そんな私に合わせてくれていたんだろう。
いや、単に本田くんも恋愛系の話したくなかったのかも知れないけど。
ふと、森藤さんの言葉を思い出す。
言わずに後悔……か。
そういえば、今は居酒屋で二人きり。
気持ちを伝えるなら今なのでは?と、そんな考えが頭をよぎる。
静まり返った空間で告白するのは、私には荷が重い。
振られてもいいから、この片想いに終止符を打ちたい私にとって、賑やかな居酒屋の雰囲気はちょうどいいのかもしれない。
気まずくなっても、お酒に逃げれそうだし。
そもそも、好きな人がいる彼に気持ちを伝えるんだから、私の望む答えではないのは百も承知。
振られる前提の、自分の気持ちに区切りをつけるための自己満足な告白だ。



