データやリアルな声が大事だということを芹沢部長から叩き込まれているので、そこは企画書を作る上で特に重要視した。

「売上は着実に右肩上がり、ユーザーアンケートはスクィーズのぬいぐるみに関する物をまとめました。『触り心地最高!』『小さいぬいぐるみはあるけど、常に持ち歩きたいので手のひらサイズが欲しい』『キーホルダー化希望』といった具体的な意見が多く寄せられています」

アンケート結果を見て確かな手ごたえを感じていた。

「これらの声から、触り心地のいいスクィーズ素材を使った手のひらサイズのアニマルキーホルダーを提案します。この企画が実現すれば、既存のユーザーだけでなく、我が社の商品に触れることがなかった層にもアピールでき、新たな顧客獲得のチャンスにもつながると考えています」

ここまで話し終え、小さく息を吐いた。
残すは、本田くんに相談して、背中を押してもらったレアアイテムの件についてだ。

「皆様は、昨今、若者を中心に爆発的な広がりをみせている『ガチャ活』という言葉をご存じでしょうか? 今、カプセルトイを集めてディスプレイしたり、アレンジして楽しんだり、それを写真に撮ってSNSで発信したりする活動のことです」

次のスライドに切り替えた。
スクリーンにSNSの投稿数や反響のあった画像を映し出す。
もちろん、プライバシーに関連する部分は削除済みだ。