気まぐれヒーロー




思考が追いつかない。


舐める?ジローさんを、私が?



マジでどこを!?

意味わかんない。


も、もしかして犬がするみたいに舌でペロペロしろと!!?



「ム、ムリです!!そればっかりはできません!!!」

「タマならやれよ」

「私タマじゃないもん、ももだもん!!」

「桃にゃ見えねえよ。反抗すんの?」



くっ、さすがマジシャン……!!手強いじゃん!!


そういえば、私の本名この人に教えてなかったし!!


ジローさんの場合、なんかもう色々と順番めちゃくちゃだ!!




「わかんねえなら、教えてやるよ」




不吉な言葉を残して、私に顔を寄せてくるジローさん。



え、ちょ……何する気!!?



後ろに逃げようとしたものの、首輪を掴まれて反対に先輩の方へ引き寄せられる。

強引すぎるジローさんの行動に、私は硬直しちゃって抵抗なんてできなかった。