度重なるミラクル発言に脱力した私は、言い返すのをやめた。ジローさんに何を言ったところでジロー節で返されることぐらい、わかっているから。
屋上へ出る扉を開ければ、眩いギラギラした太陽の光が目に飛び込んできた。
空は真っ青で、快晴。いい天気だった。
寒くはなく、むしろ夏の名残で少しばかり暑さが勝つけれど、不快なほどじゃなかった。
そして幸いなことに、誰もいなかった。
それが一番の救いだった。
北遥の番長、白鷹次郎と首輪を着けた冴えない女。
こんなヘンテコリンな組み合わせを見られたら、どんな噂がたつか、たまったもんじゃない。
先輩は私の手を離すと、屋上の出っ張りの上に登り始めた。
ハイジと初めて会った時、アイツがいた場所。
私はどうしたらいいかわからず、そこを見上げる。
登りきってしまった先輩の姿が見えなくなって、一人残されてしまった私。
何なんだろう。
こんなとこに連れてきといて、ほったらかし?
なんて無責任な飼い主!!


