気まぐれヒーロー




「あの、先輩……私、教室にいたいです」

「あ?」



ビクビクしながら白鷹先輩に声をかけると、眉間に皺を寄せられた。

超怖いんですが……。



「いや、あのですね、外に出ると危険というか……」

「何が」



私が、なんですけど……伝わらないだろうな……。


先輩は私の訴えなんかどうでもいいというように、グイグイ私の手を引っ張って歩いていく。


どうやら彼の向かっている先は、屋上らしい。



「あんなとこじゃ狭くて走り回ったりできねェだろ」



階段を上りながら、先輩が呟いた。


は、走り回る!?なんで走り回らないといけないの!?鬼ごっこでもするの!?私とジローさんが!?



「タマは走んの好きだったから」



……ああ、犬としてね。


この人は頭の中で、私がベロを出しながら嬉しそうに走る姿を想像してるのかしら。


それは二足歩行!?それとも四足歩行!?


とか、そんなどうでもいいことまで突っこんでしまう。