気まぐれヒーロー




……首輪を着けられたのなんて、初めてだ。
世の中、首輪を着けた経験のある女の子って何人ぐらいいるんだろう。


ジローさんはずーっと、私を見ている。


この人は他のヤンキーさん達に比べると、表情が少ない。
大口開けて笑ってるとこなんて見たことないし、そんなの想像もできない。


そんな先輩は今、ほんの少しだけ機嫌が良さそうだ。


白鷹先輩だけじゃなかった。
この教室にいる全員の視線が、私に集まっている。


さっきまで空を眺めて星座の話をしてたくせに。
ちっとも笑ってくれなかったくせに!



「あのよォ……女に首輪ってのは、なんかアレ、だよな……」



妙な空気のなかでぽつりと漏らした、黒羽先輩。



「アレってなに?」

「だからよ、こう……何となくクるもんがあるよな」



何言ってるんだろうこの人。


怪しげに黒羽先輩を見つめていると、「人を、変態を見るような目で見てくんじゃねえよ」と言われた。


変態を見てるんですけど。