気まぐれヒーロー





「タマちゃんはバージンなんだとよ!よかったな~、お前に汚されたいらしいぜ?」

「ちょ、ちょっと何てこと言うんですか!!」



あんたこそ、そのお口縫ったほうがいいんじゃないの!?私が縫ってやるわ、ブスブスっとまつり縫いでな!!


それにそんなこと言ったら、白鷹先輩がまた鼻から出血を……!!



「当たり前だろ、俺のなんだから。誰にも渡さねえよ」



……え?


……先輩、今……なんて?



予想に反して、白鷹先輩は涼しい顔で答えた。

黒羽先輩も想定外の反応に驚いたのか、ぽかんと口を開けていた。
下唇に吸っていたタバコが乗っかっていたけど、落ちそうになって慌てて持ち直していた。


もしも……もしも私が白鷹先輩のペットじゃなく、一人の女として見られていたなら、さっきのセリフは胸キュンものだ。


いや、胸キュンどころじゃない。脳天ズキュンだ。あの世へ一直線だろう。


ああでも……ペットじゃなかったら、こんなこと言ってもらえないんだろうな。女嫌いなんだし。


なんて悲しい運命……!!



「タマ、お前のために買ってきた」



白鷹先輩は抱えていた袋にパンパンに詰まっていた物を、テーブルの上にばさっと広げた。


ええっ、何!?私のために何を買ってきてくれたの!!?


やだ、アクセサリーとかかしら!先輩ったら、そっけないフリして女心をよく理解してるのね!!


少しドキドキしながら、私は先輩が買ってきた物が何なのか確かめようと、テーブルに視線を下ろした。





そこには大量の犬用の首輪が、散乱していた。