「どこ行ってたんだオメーはよォ。愛しのペットちゃんがお待ちかねだぞ」
両手に何か荷物をいっぱい抱えて入ってきた、白鷹先輩。
そんな先輩に、黒羽先輩が呆れたような視線をやる。
白鷹先輩に会うのは、学校中が大騒ぎになったあの時以来だった。
初めて彼と会った時はどんなにすごい人か知らなかったけど、今じゃとっても影響力のある人なんだってわかってしまった。
だから、何となく萎縮してしまう。どうしてこんな人と、私が会っているのか。
変な人だと思ってたけど……今もそれは変わらないけど、ホントのとこどうなんだろ。
ヤンキーのボスなんだから、やっぱり怖い人なのかな……。
「トラ、どいて」
「あ?なんでだよ、そっち座れよ」
私の隣に座っている黒羽先輩を見下ろす白鷹先輩は、なんだか不機嫌そうだった。
……あれ、なんで黒羽先輩が「トラ」なんだろう。
むすっとしている白鷹先輩に、向かいのソファーに座れと促す黒羽先輩。
でも白鷹先輩は譲らない。
「あ、私そっち行きますから、ここどうぞ」
こう着状態の二人に、私は席を立って向かいのソファーにまわった。
っていうか……こんなことで争わないでほしいな……小学生じゃないんだから。
すると、なぜか白鷹先輩は私の隣にどすんと腰を下ろした。
何なんだ、あっちに座りたかったんじゃないんだろうか。
「ははーんわかったぞお前。タマの横に座りたかったんだろう」
へ?
黒羽先輩のセリフに、思わず私は白鷹先輩を見てしまった。
その横顔は無表情で、何を考えてるのかはわからなかったけど、綺麗だなと見惚れてしまっていた。
「そうかそうか、そんなにタマちゃんが気に入ったか。じゃあよ、イイコト教えてやるよ」
ニッと口の端を持ち上げる、黒羽先輩。
コイツまさか……!!


