気まぐれヒーロー





全校生徒が注目する中、白鷹先輩と黒羽先輩は何も気にせず校舎に足を進めていた。

鳴りやまない黄色い声。
ほとんどが、女子のキャーキャー言ってる声だった。

それもそうだろうな、二人とも超がつくほどのイケメンなんだもん。


でも、白鷹先輩は決して顔を上げない。女子と目が合わないように。

なんだかそれが可笑しくて、笑ってしまいそうになる。真っ赤になる先輩を思い出して。

対する金髪の黒羽先輩は、へらへらしながらみんなに手を振っていた。どうも正反対の二人のようだ。

だけどそんな二人を出迎えるのは、彼らにとって心地の良い歓声だけじゃない。




「いい身分だなオイ!!」
「ニヤけてんじゃねーぞてめえら!!」
「調子にノんなよクソガキが」




男の野太い声で、銀髪と金髪にヤジが飛ぶ。


まだ何か言ってるっぽいけど、周りの騒音で聞き取れなかった。

たぶんこんなことを彼らに言えるのは、三年生だろう。これだけ目立てば敵だって多いはず。
歓迎されるばかりじゃ、ないらしい。

それでも、やっぱりというか慣れているのか、キング二人は完全に無視だった。



「白鷹、お前人殺しなんだろ!?」



その時だった。

それまで完璧スルーだった白鷹先輩が、立ち止まった。


誰かが言い放った、この一言に。