気まぐれヒーロー




そんなこんなで朝っぱらからどっと疲れ、教室に入った私の足取りは重かった。

タガメじゃなくてよかったとひっそり喜ぶあたり、私って意外にもプラス思考じゃんと思った。



「ももぉ~昨日はごめんね?」



席に座ったと同時に耳に飛び込んできた女の声に、急激にテンションが下がった。


「……なに?」

「やだぁ、怒ってる?ほんっとごめん!!ももの気持ちも考えないで、アサミ言い過ぎたよね……」


相変わらずの間延びした口調で謝ってきたのは、朝美だった。わざとらしく眉を下げてくねくねしている彼女に、さらなる疲労が溜まる。


「いいよ、もう」

「ありがとぉ~!!アサミとももはぁ、仲良しだもんねっ!!」


ジ、ジンマシンが出そうだ。全身がむず痒い!!

完璧なアレルギーだこれ!アサミアレルギー!!ダメだ、治療法が見つからねぇ!!


「じゃあ仲直りの握手しよぉ」


そう言って朝美は私の手を強引に握ると、ブンブン振った。


ふおおおお!!あんたわざとだな!?悶え責めか!新手の拷問か!!


「ももどうしたのぉ?息荒いよ?目も恐いしぃ」

「べ、別に……」


息も絶えだえ、のどの奥を掻きむしりたい衝動を抑えつつ、なんとか私はその場をやり過ごした。