気まぐれヒーロー



女嫌い……信じらんない。めちゃくちゃカッコいいのに。


だからあんな反応だったの!?
それにしては手つないだだけで真っ赤になったり、ハグだけで鼻血出したり……女嫌いというだけでは過剰すぎる気が……。


ってか女が敵って、世界人口の半数を敵にまわしちゃってるよジローさん!!


「けどお前は大丈夫だった。まさかタマに似てるからってのは予想外だったけどな。は~……嘘みてえだ……あのジローちゃんが女と……」


こっちも心外だよ!まさか不良キングのペットに似てたなんてね!!


「大げさだね」

「大げさじゃねえって!マジでどうするか悩んでたんだからよ~。シメシがつかねえだろ、俺らの頭が女嫌いだなんてよ。でもな、もも。お前のおかげで何とかなるかもしんねえ。ジローちゃんの女嫌いが治るかもしれねえんだよ」


ハイジがそう言いながら、本当に嬉しそうに笑うから。


こんな笑顔もできるんだって、ちょっぴり見惚れちゃったじゃん。


……いや、ちょっと待って。私が白鷹先輩の女嫌いを直す!?どうやって!!


「無理だって!私じゃそんなのできっこないよ!タ、タマだし!」

「いーんだよタマで。ちょっとずつ慣れてくだろ」


バカあああああ!私はやだよ!なに、これからずっと不良と関わっていかなきゃならないの!?


そういうこと!?あんたが言ってた『私の人生を変える』ってそういうこと!?


っていうか、それは先輩の人生を変えるために私まで巻き込まれているだけでは……!!


わたしゃ地味キングなんだよ!!不良キングなんかと和解できないよ!!戦争になっちゃうよ!地味キングダムには私しか住人いないけどね!!


「じゃあももちゃん。連絡先教えてくれる?」


にこーっと嘘くさい笑みで、スマホを差し出してくるハイジ。