「えー、やだ、可愛いって言われちゃったあ!!きゃー、もも~どおしよお!!」
うわ~朝美さん、もうすごいよやばいよ。
顔真っ赤っかだよ、茹でダコだよ~。
くねくねダンスも激しすぎて、なんかもう鉄板の上のタコみたいになってるよ~。
女王ダコも、たこやきプリンスの手にかかれば、イチコロだった。
最高級のタコ焼きに、仕立て上げられていた。
「ねえねえケイジくんさぁ、どうして関西弁なのぉ?ハイジくんは違うのに~」
朝美さん、あなた……それを何の躊躇いもなく聞いちゃうのね。
私も気になってたよ。
双子なのに、なんでだろうって。
でも聞いちゃいけない気がして、聞けないでいた。
それに触れちゃっていいのか、判断できないから。
「……実はな……俺……」
急に神妙な顔つきになって、ケイジくんは瞼を伏せた。
そんな彼の表情に、これってやっぱり聞いちゃいけないことだったんじゃないって不安で。
いくら朝美が空気クラッシャーといえど、限度があると思った。
だけど今さら私が口を挟むのも、逆にケイジくんを傷つけることになるかもしれないし……。
迷った末、待つことにした。
ケイジくんの口が開かれるのを。
意味ありげな沈黙が流れ、数十秒後、静かに彼は語った。
「呪い……かけられてんねん。タコヤキ仙人の」
マジだった。
ケイジくんの目は、至極真剣だった。
私は脱帽した。
ほらね。やっぱり双子なんだよ、緑と赤は。
嘘つきだもん。
ハイジとそっくりだもん。こーいうとこ。
朝美は爆笑していた。
ケイジくんも「うひゃひゃひゃ!」とか変な笑い方で、一緒に笑ってた。
何なんだね君たちは。
もうアレだよアレ、お似合いだよあんた達。
たこやき仙人に呪われちゃったたこやきプリンスと、女王ダコ。
最高に相性いいんじゃないか。
“何あれ、媚びてんじゃねーよ”
“うっざ……アイツら馴れ馴れしくケイジくんに話しかけんなよな”
和やかな雰囲気だと安心していたのは、どうやら私達だけみたいで。
他の子達は、快くは思ってない。
ケイジくんと仲良さそうにしてる私達への、嫉妬の声がぶつけられる。
声を押し殺してるつもりかもしれないけど、十分聞こえてる。

