結局私の爆弾発言の後ハイジはみんなの誤解を解くのに必死で、いかに私に色気がなくムラムラしないかを弁明していた。
それでも白鷹先輩はハイジに馬乗りになって殴り殺しそうな勢いだったから、ケイジくんや他の人達が焦って止めに入っていた。
すごく恨みのこもった眼差しでハイジに怒られたけど、聞こえないフリしておいた。
だってこれくらいいいじゃん。さっきの仕返しだもんね!
騒動が治まって一段落ついてから、またさっきみたいに私達は4人で座っていた。
ハイジの顔にはもっと傷が増えていた。ちょっと可哀相になった。
けど……どうして白鷹先輩は、こんなにも過剰に反応するんだろう。
だって不本意だったけれど、手をつなぐことや抱擁なんか目にしたって、これほど美形な男の人だったら慣れてそうなもんだけど。
きっとモテるんだろうし、そういうこと簡単にしてそう。
なんたって不良キングなんだから。
「おい、女」
もやもや考えてると、斜め向かいにいる白鷹先輩が口を開いた。
女って……私のこと、だよね?私以外みんな男だもんね。
「早くここから消えろ」
タバコを吸いながら、白鷹先輩はテーブルに視線を落としたまま一言私に告げた。
決して、私に目を合わそうとはしない。
こんな格下な人間は、視界にも入れたくないのかしら……。
でも先輩の言葉は、待ち望んでいたものだった。
一刻も早くこの不良キングダムから逃げ出したくて、仕方なかったんだから。
王様が出て行けというなら、一般庶民な私はそうするしかないじゃない!
やった、解放される!!

