気まぐれヒーロー




私も朝美みたいになったら、ちょっとやそっとじゃ狼狽えたりしなくなるんだろうか。

何があっても、空気クラッシャーの能力で乗り越えられるかもしれない。

いっそ朝美に弟子入りしてみようか。強くなれるかも。


「アサミ的にはぁ、田川くんがももに振り向いてくれるのは難しいと思うんだよねぇ。だって相手はあの咲妃ちゃんだしぃ?力ずくでも奪いたいって、ももの気持ちはわかるんだけどね?でもぉ、やっぱあの二人の愛を引き裂くっていうのはぁ、他の子達からもバッシング受けると思うんだよねぇ。やめといた方がもものためだよぉ」


うん、やめるよ。朝美様に弟子入りするのは。

心臓は鍛え上げられるかもしれないけど、空気読めなくなるのも困る。


いや、待てよ……私、自分で空気読めてるって思ってるけど、本当に読めてるの!?

よくハイジとかタイガに哀れまれてるし、時々妄想と現実の区別がつかなくなる時あるし!!


もしかして周りからは、私も朝美も同じと思われてるのかもしれない!!


じゃあいいじゃん。朝美と対等ってことだ。

崇めようと思ったけど、やめた。


私は彼女の肩に、ぽんと手を置いた。



「はっはっは、朝美くん。これからもある程度距離を置きつつ、うまくやっていこうじゃないの」

「え~なに~?ちょーコワイんだけど~」



くっ、朝美に言われるともの凄いヘコむのはなぜなんだ……!!

不審者でも見るかのような朝美の目つきに、私のこめかみはひくひくしていた。


それから担任が教室にやってきて、私達はそれぞれ席についた。