気まぐれヒーロー




「『関係なくない』?お前が、風切や白鷹次郎の兄と知り合いだってのか?お前みたいな女が?」

「それはいくら何でもないっしょ。ほんと、笑わせてくれんね~。花鳥さん、お笑いの才能あるんじゃない?」



そうかいそうかい、私の意外な才能発見してくれてありがとよ。

って違うよ。
そんなこと、どうだっていいんだよ。



“お前みたいな女が”



そりゃ、そうだろうね。

私みたいな地味で目立たなくて、化粧っ気も何もなくて。

派手なハイジ達とはまるで別世界な人間が、『彼らと関係ある』だなんて言ったところで信じられないでしょうね。

でも、事実なんだ。

きっかけが何であれ、動機が何であれ、今はもう……赤の他人だなんて思えない。


“友達”?“仲間”?


そう聞かれれば、まだはっきりと答えられない。

彼らが私をどう思ってるのかは、わからない。

だけど、



「あんた達がどう思おうが、疑おうが関係ないよ。私は彼らを知ってる。だから、あんた達の暴言が許せないんだよ。彼らに謝ってよ。そして、もう二度とあんなこと言いふらさないで」



偽りの情報を、流さないで。


ハイジやケイジくんが、変な“ドラッグ”やってるだなんて


太郎さんが、“価値のない人間”だなんて


酷すぎること、言わないで。


何も知らない人に、聞かせないで。



「花鳥、お前さ……どうしちゃったわけ?じゃあさ~お前はアイツらの何を知ってるんだよ」



フザけた目で、田川が尋ねてきた。
でも、聞く耳なんて持たないことは、わかってる。


彼らが何をしてきたか、そんなのは知らない。


でも

私はこの目で見て、この耳で聞いた。


私のことを本気で考えてくれる、瞳を。

私を思いやってくれる、声を。


それだけで、十分じゃない。




「少なくとも、あんたよりはずっとキレイな心を持ってるってことは、知ってる」




田川の目を真っ直ぐに見て、私は答えた。