気まぐれヒーロー



「なーんかお前、顔赤えんだけど」

「そ、そそそそんなことないわよ!!きょ、今日の朝トマト食べたからじゃない!?」

「どんなビックリ人間だお前は。ナス食ったら紫になんのか。じゃがいも食ったら茶色になんのか。キャベツ食ったら緑になんのかよ。全部一気に食ってみろ、おもしれえだろうなあ」



やっぱりハイジは意地悪だった。



「昼休み、来いよ」



そう言うと、ハイジは空になったカルピスのパックをゴミ箱に投げ捨て、教室を出て行こうとした。



「ねえ!」



私は咄嗟に、ハイジに呼びかけた。

なぜだか、わからない。

でも、考えるよりも先に口が動いた。


ハイジは戸の手前で足を止め、顔だけを向けて私の言葉を待っていた。


“魁帝と北遥の間にあるルール……それも、鴉が解散したことと、関係ある?”

“響兄ちゃんと同じように、あんた達も私を気遣ってるの?だから、そんな態度なの?”


聞きたいことは、いっぱいあった。

だけど何を聞いたところで、ハイジははぐらかすんじゃないかって思った。


だから。


「ちゃんと授業、出なさいよ。ハイパー羽子板とかしょーもないことしてないで」


こんなことしか、言えなかった。


眉をしかめるハイジ。


しまった、と後悔した時にはもう遅かった。


「お前、しょーもないとは何だ。あんな斬新で画期的なスポーツ他にねえぞ。いいか、あれが最先端のスポーツだ。これから流行るんだ。将来オリンピックの競技にも絶対なるからな。お前も今から始めろよ、時代を先取りしとけ。この俺が直々に教えてやろう」