「ハイジ!!おま……なんつういかがわしいことを……!!て、手なんかつないでんじゃねえ!!」
白鷹先輩はハイジから離れ、何歩か後ろに下がった。
この時の白鷹先輩の焦りようったら、尋常じゃなかった。
手つなぐのっていかがわしい、の……?
私はこれまでの人生を振り返ってみた。
私の常識が間違っていたんだろうか。
もしかして、手をつなぐことってめちゃくちゃ恥ずかしくていやらしいことだったんだろうか。
でも……そんなこと言ったら、街中いかがわしい光景で溢れかえっちゃうじゃないの。
「ったくよ~ジローちゃん……まだダメなのかよ……。これぐらいしとかねーと足りねえか?」
ハイジは情けないとでも言いたそうに溜め息をつきながら、今度は……
私を後ろから抱き締めてきた。
「ぎゃっ」
うおぉい!?何すんだこのハレンチボーイがっ!!
という心の声も虚しく、私の口から出たのは変な悲鳴だった。
そして白鷹先輩は、鼻血を噴いた。

