気まぐれヒーロー



っていうか……


拾うって何!?まさか、この人にも私が犬に見えてたりするの!?

もう国境越えちゃって、私ったら犬として世界デビュー!?


なんて、ドギマギしてたら。




「俺の大事な女」




平然と、太郎さんがアメリカンな彼に答えた。

我が耳を疑って、思わず太郎さんをガン見してしまった。

どういう意図で彼がそう口にしたのかわからないけど、「大事な女」だなんてセリフを躊躇うことなく言ってのけた太郎さんに、目ん玉飛び出そうになった。


そして怪訝そうに眉を寄せ、私を見つめてくるアメヤン(省略)。

その目つきが一層険しくなって、私にグサグサ突き刺さる。


『おいおいマジかよ、こんなへちゃむくれなジャパニーズガールに太郎さんが!?いや、ぜってーありえねえ!俺は認めねえ、断じて許さん!!』って心の声が聞こえてくる。


目がそう言ってる。誤解なのに。



「……冗談もほどほどにしてくださいよ、太郎さん」



アメヤンはどこまでもクールだった。



「ま、俺にとっちゃ特別なコだよ。それよりお前、タイガ達が待ってんぞ。お前が顔見せねえって、グチってるよ」

「ああ、今から行くとこっスよ。つか、なんでアイツいるんスか。女といるんじゃなかったんスか?」

「知らねーよ、アイツに聞け」

「アイツいるとメンドーなんスよね……うるせーし。飛野とジローだけならすぐ終わんのに。まー、しゃーないっスね……じゃ、失礼します」

「おう。お前ムチャだけはすんなよ」



私と太郎さんの横を通り過ぎると、アメヤンはタイガ達がいる部屋に向かうようだった。


太郎さんの最後のセリフに、「太郎さんにだけは言われたくないっスよ」と、振り返らず片手だけをあげて挨拶するとそのまま去っていった。



それからちょっとして、奥の部屋……タイガ達のいる部屋から、「ぎゃははは!なんだその顔!!ひでえなオイ、笑わせんなよぶわはははは!!」と大爆笑する金髪の声が漏れてきた。


相変わらず、声がでかい。


おそらく、アメヤンのボコボコにされた顔がウケたんだろう。どこが笑えるのか私には一つも理解できないけど。


でも……あの人、もしかして……