「なぁ、オメーよー……」
「なに」
急にタイガは私の正面に座り込み、ある一カ所をじーっと凝視している。
私の、首もとらへんを。
「それ、キスマークじゃねえの」
見つめる目を一点に集中させたまま、タイガが指差してきた。
「え、うそ!?」
キ、キスマーク!?
そんなわけない。そんなの、ついてるはずない。
だって……ジローさんとそーいうことしてないし!!
キスはしちゃったけど、それだけだし!?
いや、キスはそれだけなんてことじゃないんだけれども。
キスに慣れるなんてこと、一生ないと思うけども……
違う、そんなことじゃなくて。
キスマーク……首筋……
一瞬、閃いた。
思い当たるのは、あの時。
アイツに押し倒されて、色々されかけちゃったあの時しかない。
「まさか……ハイジ?」
これがいけなかった。
うっかり、ぽろっと呟いちゃったのが悪かった。
『やだ、ついうっかり☆』なんてレベルの、うっかりさじゃない。
うっかり刑事がいたら、うっかり逮捕されちゃうくらいのうっかりだ。
後悔したときには、遅かった。
「くっ」と可笑しそうに喉を鳴らすタイガに、恐る恐る顔を上げた。
そこには、世の中にこれほどまでにハラワタ煮えくりかえっちゃう笑顔があるのかってくらい、いやらしい笑みを湛えたタイガの顔があった。
「ちょっとぉ、冗談なんだけど~。ハイジってなあに~?タマちゃんったら、ジローさんだけじゃなくハイジくんともイケナイことしてるの~?やぁね、イマドキの若い子ってお盛んなのね~」
ああ
神様
どうか、
どうかこの金色のエロデビルに、天誅を……!!!


