気まぐれヒーロー




「そんなこと言っちゃって。ほんとはエロダンナのくせに経験ないんじゃないの~?」


ここまで言う気はなかったんだけど。

売り言葉に買い言葉で、私のお口が絶好調に滑りまくった結果。



「じゃあよー……お前アイツに【ピー】してもらったのかよ。【ピー】に【ピー】を【ピー】できんのか。俺なら5回は【ピー】できるけどなぁ。【ピー】なアソコに【ピー】を【ピー】して【ピー】【ピー】【ピー】……」

「うわあああもうやめてえええ!!!」



若ダンナのピンクな妄想と『エ』『ロ』魂に、火をつけてしまった。


放送禁止用語の素晴らしい乱れ撃ちに、私のバージンハートは穴だらけになった。


タイガの口を塞ぐか自分の耳を塞ぐか、生死をわける選択に迷うよりも速く。

飛野さんが真っ先に、タイガの口を塞いだ。
湯気出るんじゃないかってくらい、赤く染まった顔で。


とりあえず、『エ』『ロ』細胞に蝕まれるのは避けることができた。


純情料理人、飛野さんの活躍によって。



「若大将。俺、女体盛り食いてえ」

「若ダンナ。てめえを三枚にオロしてやるよ」



それでも仲良しな二人の口元には、小さなアザがあった。


……なんだ。止めてくれてたんだ。

二人して、私と太郎さんがいる和室へ行こうとしたジローさんを、止めようとしてくれてたんだ。


無理みたいだったけど。手に負えなかったみたいだけど。

けれどイタズラ大好きなタイガでさえ、面白半分にジローさんを行かせるわけでもなく、私達に気を遣って止めようとしてくれたことが、驚き半分ちょっぴり嬉しかった。



いいとこあるんじゃん、若ダンナ。