気まぐれヒーロー



お兄ちゃんの一つ下ってことは、私の四つ上。
ジローさんの三つ上。


今、二十歳ってことかな。

二十歳のおにーさんからしたら、確かに私なんてガキンチョだろうな。


それにしても……お兄様、プリンパフェって……プリンなの?パフェなの?パフェにプリンが乗っかっちゃってたりするの?

甘党なんだろうか。


私も、自己紹介しなくちゃ。


「わ、私は花鳥ももです。好きな食べ物は……ば、馬刺しです!!」


……馬刺し?


なんでだ!!なんで私、馬刺しなんて言っちゃったんだ!!馬刺しなんて昔九州に旅行行った時に、一回食べただけじゃないか!!

おいしかったけどね!?


緊張しすぎじゃん私……よりによって、15の乙女が馬刺しって……!!

可愛くねええぇ!!


「ぶはっ、し、渋いなぁももちゃん!!」と太郎さんは大笑いしていた。

必死で「違うんです!本当はケーキが好きで……!」と弁解しようとしたのに、太郎さんの笑い声にかき消されてしまった。


聞き入れてもらえる様子はない。もう諦めるしかなかった。


っていうか……太郎さんの好物のプリンパフェのほうが、よっぽど女の子らしいってどうなの!?


ひとしきり笑った後、太郎さんは目尻に溜まった涙を人差し指で拭って姿勢を正した。


私は恥ずかしすぎて、小さくなるしかなかった。


「ももちゃん、無理言って急に呼び出したりしてごめんな。なんせ今日を逃したら、次はいつ帰ってこれるかわからないんだ」


ジローさんを叩きのめしていた時とは打って変わって、太郎さんは口調穏やかに、話し始めた。