気まぐれヒーロー



“ジローの兄貴だよ”



兄貴……お兄さん……?ジローさんの……?


ジローさん、お兄さんがいたんだ。



ジローさんのお兄さんが、私のお兄ちゃんを知っている……。



驚愕の連続で、私の頭は容量オーバーになってしまいそうだった。


そんな繋がりがあったなんて。

ジローさんとそんなとこで、繋がっていただなんて。


じゃあ……ジローさんも、もしかして響兄ちゃんに会ったことが、ある?



なんでって。どうしてって。


そればかりが次々浮かび上がる。


でも

お兄ちゃんもそうだった。


彼らと纏う雰囲気が、同じだったから。



ふんわりと香るタバコの匂いを、覚えてる。

陽の光に透けるゴールドブラウンの髪を、覚えてる。



大きな手で優しく頭を撫でてくれたことも、時々顔に傷を作っていたことも。



いつだって、どっしりと構えていて


いつだって、恐そうな人達の中心にいて



光の中で……屈託ない笑顔を、みせていた。



ジローさんのお兄さんがどんな人かわからないけど、ジローさん達と同じ世界の人なら

響兄ちゃんと関わりがあったって、おかしくないと思った。



「急だけど今日の放課後、空いてるか?」



飛野さんの問いかけに、ハッとなって顔を上げた。


「あ……今放課後残って、文化祭の準備をしてるんです」

「そうか。その後は?」

「何もない、ですけど……」

「じゃあジローんちで、メシでも食わねえか?」

「え!ジ、ジローさんのおうちで!?」


突然話が飛びすぎて、動揺してしまう。


だって……ジローさんの家にお邪魔するなんて、考えてもなかったし予想もできなかった。