気まぐれヒーロー



「お、お願いハイジ……それだけは勘弁してください!!お代官様!!!」

「誰が悪徳代官だ。喜べよ、俺とのデート権をお前は手に入れたんだから。なんて幸運な女なんだお前は」


そんなもん放棄してやる!欲しい子にくれてやる!!
そこらへんに配布してやる!!

ポケットティッシュと同等の扱いだコノヤロウ!!!


……ジローさん、何も思わないかな。

勝手にペットを連れ出しやがって

とか、そんな程度だよね?


それでもいいから、ハイジをしかってくんないかな。

ジローさんの方を向いてみた。


彼はついさっきまでソファーに座りながら頭をかっくんかっくんしてたのに、今では床に転がって寝てた。


飛野さんは難しい顔で、ずっと地図を眺めている。


「上が北か」と方角を確認していたけど、「待てよ、これをこっちに向けたらこっちが北じゃねェのか!?どっちが北だ、北って何個あんだ!?」と色んな方向を見ながら一人でパニくっていた。

仕舞いには「こんなのアテになんねェじゃねーか!!」と逆ギレして、地図にあたっていた。

この人どうやって生きてきたんだろう、と本気で不思議だった。



それより何より……ハイジとデート……。

私、人生初のデート相手がこの緑のヤンキーとだなんて……。


神様はひどくイタズラっこらしい。


ふふっ……こんなこと仕組んでくれるなんて、ちゃめっ気たっぷりじゃないの。


今私の前に神様が舞い降りたら、「も~、神のお・ちゃ・め・さ・ん☆」なんて神様の頭をつんってしたり……




「するかバッキャロオオォ!!ぼっこんぼっこんのぎったんぎったんにしてやるわ!!!」

「うおぉ!!何だお前!!?何言ってんだいきなりよぉ!?」

「こ、怖えーなお前!!ついに頭イっちまったか!!?」



妄想がはみ出しちゃった私に、ハイジとタイガは引きまくっていた。