急浮上した、疑問。
この人達に、“彼女”がいるのかどうか。
別に気にならないし、今までそういう話題にならなかったから、尋ねてみることもなかった。
それに彼らが自分から話すこともなかったし、必然的にその話題に触れることがなかった。
ジローさんはいないのがわかってるから、気にしなかったんだと思う。
例えばジローさんが女嫌いじゃなく、イケイケなにーちゃんだったら。
“彼女”がいるのかいないのか、どうしようもなく気にしてただろう。
だとしても、ジローさんがフツーにイケイケにーちゃんだったら、私は彼らとこうやってこの場所にはいなかっただろうけど。
ハイジが『デートする』だなんてとんでもないこと言いださなければ、知ることもなかっただろうし聞くこともなかったであろう、彼らの“恋愛事情”。
彼女いたからって、何が変わるわけでもない。
ああそう、いるんだって思うだけ。
彼らの情報の一端として、記憶する。ただそれだけ。
でもね。
デートするのなら、相手に彼女がいたらダメじゃん。
私だったら仮に彼氏がいたとして、他の子とデートするなんて、絶対イヤだし。
「いるに決まってんだろ」
タイガがさも当然とばかりに、答えた。
いるんだ、なんて思ってたら「日替わりの彼女がい~っぱいな」と付け加えられる。
何となく予測できた回答だった。
エロキングなくせに顔だけは一流なんだから、女の子にはモテるらしい。
遊びまくってるらしい。
「……ハイジは?」
「いねえ」
即答。
それもなんだか意外だった。
コイツも何だかんだで女の子から人気あるから、いるのかなって思ったのに。
「ウソつけ。お前あのコどうなったんだよ、リナちゃんだっけか。昨日泊まったんだろ?あのコんとこ」
「……余計なこと言うなよ、クロちゃん」
……なんだ、いるんじゃん彼女。
バツが悪そうな表情のハイジ。
なんでウソついたんだろう。隠す必要なんかないのに。


