気まぐれヒーロー



ちらりと他の三人に、助けを求めるように視線を流してみる。


ジローさ……ダメだわ、寝てる。お船を漕いでらっしゃる。

タイガは言うまでもなく、困る私をニヤつきながら眺めてるだけ。助けてなんかくれない。


となると、後一人。飛野さん。


そうだ、飛野さんだったらハイジを説得してくれる!コイツらより大人だし!
ハイジよりも権力持ってるはず!まだ飛野さんは常識人だしね!!


と思って期待の眼差しを向けてみたけれど、彼は必死に地図と睨めっこしていた。


ダメだこりゃと思った。



「もも、イイ女になるにはまず男を知らねえといけねーんだよ。お前は男っ気なさすぎんだ。っつーことで、選べ」



選べって……。


イイ女?私、なんでイイ女にならなくちゃいけないの?


いや、なれるんならなりたいけどね!?「お、イイ女じゃ~ん」とか言われてみたいけどね!?


でもそんな『イイ女』になってる自分が想像できない。そもそもイイ女って、どんな女?


美人?溢れ出る色気?気遣いできる女?


……何一つ備わってないな、私。


ジローさんも、『イイ女』が好きなのかな。


いや、そんなわけないか。
女嫌いなんだから『イイ女』でも通用しないよね。そう……だよね?


ジローさん……どうやったら、女の子を好きになってくれるのかな。


私、どうしたら好きになってもらえるの……?


でもパッとしない女よりは、『イイ女』の方がいいよね?


じゃあハイジの言うことに、従ったほうがいいのかな……。



自分でも無意識のうちに、私はハイジに洗脳されかけていた。



デートの相手って、やっぱ……