アイツが絡んでくると、ロクなことがない。
あの屋上での出会いからして、不幸の始まりだった。
私の平和な日々をぶっ壊してくれたあの男が、次は何を企んでるっていうんだ。
また波乱に巻き込まれる……悪魔の世界に、引きずり込まれる。
「い、行きたくない」
「え?ダメだよ、行かねえとみんなここに来ちゃうよ?」
落ち込む私に、かっちゃんはきょとんとして脅しとも取れるような発言をプレゼントしてくれた。
お返ししたかったけど、受け取ってしまったプレゼントは私のハートを直撃してしまったから。
大打撃を受けフラフラと、あそこに向かうしかなくなった。
「あ、克也くんだ」
「小春ちゃん何してんの?」
「今ねぇ、新作のお菓子をももちゃんと食べてたとこだよ。克也くんにもあげる!はい、あ~ん」
「え!あ、あ~ん……」
教室の入り口に立っていたかっちゃんを見つけると小春も寄ってきて、さっきまで一緒に食べていた「ドスコイちょんまげ」という和風味なチョコのお菓子を彼にあげていた。
小春は少し天然なところがあるから無邪気に「あ~ん」をしているけれど、かっちゃんはかなり照れてきょろきょろと目を泳がせている。
可愛すぎる。
この二人が可愛すぎて、すぐ近くで見ている私はキュン死しそうだった。
小春とかっちゃんは今も仲良く登下校しているみたいで、けっこう親密な仲になっているみたいだ。
ここまで小春がなつく男の子は、かっちゃんくらいじゃないんだろうか。小春が男子と話すイメージがないから、すごく新鮮に思える。
波長が合うのかもしれない。お互いキューティーだし。
かっちゃんは性格が荒々しくないし、口調も他のヤンキーさん達に比べると優しげだから小春は恐がらないのかもしれない。
……今度こっそり小春に、かっちゃんをどう思ってるか聞いてみよう。
なんてことを密かに思い浮かべながら、私は仕方なくジローさん達がいるキングダムに向かった。

