私も自分のクラスに入ると入り口の真ん前で、赤頭が机に突っ伏して寝ていた。
めちゃくちゃビビったものの、ここがケイジくんの席らしい。
廊下側の窓際の端の列、一番後ろの席。目立たないようで、実は最も目立つ場所。
そうか、いつも空席だと思ってたら……風切慧次の席だったわけね。
って、もう寝ちゃってるのね。
あれだけの騒ぎを起こしといて安眠しているたこやきプリンスに、私は感心していた。
私、なんでこの人と同じクラスって今まで気がつかなかったんだろう。この真っ赤っかの髪を素通りするはずないのに……。
もしかしたら、私が知らぬうちに彼は教室に入ってきて知らぬうちに出て行ってるのかもしれない。
だってあの席なら、私の席からは振り返らないと視界に入らないし。
それにしても入学してから半年近く経つっていうのに、自分の無頓着さに自分で呆れ果てた。
どうも私は興味のわかない事柄は頭に残らないらしく、ハイジのこともケイジくんのことも騒がれているのに記憶になかった。
今じゃ嫌というほど、知るハメになってしまったけれど。
「ももちゃんおはよ~!!さっき、廊下すごいことになってたね」
たたっと私に近づいてくるのは、小春だった。
昨日とは打って変わって彼女らしい愛らしい笑顔に、私も自然と頬を緩めていた。
「うん……珍しくケイジくん、教室にいるしね。いったい何なんだろうね。それより小春、昨日大丈夫だった?かっちゃんにちゃんと送ってもらった?」
「ふふっ、大丈夫だよ。克也くん今日も朝来てくれたんだよ。優しいし、いい人だね」
なんと!
かっちゃんは今朝も小春を家から学校まで送ったらしい。びっくらこいた。
オシャレヤンキーなかっちゃんも白鷹ファミリー。彼も何か秘密を握っているに違いない。
ハイジが私のところへ来たのと、関係あるかも。


