滅多に二人揃うことのない風切兄弟が、今──
並んで立っている。
それだけで、人を寄せるのには十分だった。
あっという間に一年生の階の廊下は、多くの生徒達で埋め尽くされてしまった。野次馬だらけだ。
沢山の目が、ハイジとケイジくんに集中していた。
「おい、ケイジ!!」
「……なにマジになっとんねんハイジ。ちょーっとフザけただけやん?」
厳しい顔つきのハイジに対して、ケイジくんはニカッと笑う。
同じ顔でも、対照的だった。
ぽんぽんとハイジの肩を叩くと、ケイジくんは歩き出した。
途端に人だかりが分かれて、ケイジくんの前に通路ができる。そこを彼は堂々と進み、自分の教室に入っていった。
残されたハイジと、私。
ハイジはぼんやりと、遠ざかっていくケイジくんの背中を眺めていた。
やがて自分もこの場を離れようと思ったのか視線を私の方へ、流した。
視線が交わる。
ハイジは私がここにいるなんて思っていなかったのか一瞬驚いた表情をしたけど、すぐに平静を装い私を無視してケイジくんとは反対方向に消えていった。
緑と赤の双子がいなくなると、ざわめきを残しながらも人の群れは散っていく。
みんなそれぞれさっきの出来事を話題にして、興奮していた。
私は微かに高鳴っている鼓動に、そっと胸に手をあてた。
ずっとおバカなところしか見ていなかったから、油断していた。
彼らが不良だということ。
見せつけられた一面に、私自身動揺しているのは事実だった。
そして、私とケイジくんが同じクラスだということも、今日初めて知った。


