誰もが興味をそそられながら、彼らに深入りしようとはしない。
彼らが作り上げた世界を奥まで覗こうとは、しない。
私だって、そうだった。関わり合いになんて、なりたくなかった。
だけど、知らなかったから。
どんな人達で、どんなヤバイことをしているのか……私は何も知らなかった。
上辺だけなのかもしれないけど、ハイジはバカだしジローさんは宇宙人だし、タイガはエロ大使だし、飛野さんは迷子王だけど気前いいあんちゃんだし。
それでいいんじゃないかなって。
彼らがそうやって絡んでくるから、私もそれに私なりの対応をするだけで。
恐がる要素が、ない。
みんな知っているんだろうか。彼らのそんな一面を。
でもケイジくんとは私、あんまり絡んだことないな。
一番出現率が低いというか、彼がいる時に私がいないだけなのか、遭遇しないのだ。
緑のハイジを見慣れているだけに、赤髪のケイジくんを見ると、ハイジが髪を真っ赤にしたみたいでちょびっと目を惹かれる。
この先関わることはなかっただろうし、関わることもしなかったであろうケイジくんに絡まれてしまった田川の友達の顔は、青ざめていた。
おもむろにケイジくんは彼の正面に、がばっと股を開いてしゃがみ込む。つまりはヤンキー座りで。
ほんのり口角を持ち上げ小さな笑みを残してはいるものの、目つきは穏やかではなさそうだった。
「名前……?」
「……お前何回言わせんねん。イライラさせんなや」
声は押し殺したように静かだけれど、ケイジくんの雰囲気が冗談を許さないものだった。
もうすでにイライラしてるのがわかる。
どうしたんだろう……ケイジくんのこんな顔を、私は見たことがない。


