「そうムキになんなって。オメーよォ、アイツを舐めんだろ?バージンじゃわかんねーだろうから、どうやったらご主人様を喜ばせられるか、俺が手ほどきしといてやるよ」
怪しい笑みを浮かべるタイガに、身の危険を感じる。
身構える私の耳元へ、ヤツはわざとらしく顔を近づけてきた。
「────」
低音の声で、そっと囁かれた言葉。
次の瞬間、ボンッと燃え上がるほどに首まで赤く染まった私を見て爆笑すると、タイガはひらひらと手を振り二年生の教室へと去っていった。
し、信じらんない……なんて過激なこと言うのよアイツ……!!!
危うくエロエロ攻撃で爆死するとこだった。
放送禁止用語連発のエロキング。
ヤツのセリフには、ほとんど“ピー”という効果音が入ってもおかしくない。それくらいエロい。
もう歩く公害なんだから、いっそのこと全身にモザイクかけたほうがいいんじゃないかと思った。
それから気を取り直して教室を目指していると、前からきた男子と肩がぶつかり、私は少しよろけてしまった。
「ごめんなさ──」
「いってーなブス!どこ見て歩いてんだよ!!」
謝ろうとした言葉を、怒鳴り声がかき消した。
男の顔には苛立ちが浮かび、吐き捨てるように私を睨む。
なに……?
ちょっと肩が当たっただけなのに、なんでここまで言われないといけないの?
謝ろうと思ったのに。
「……そんな言い方って、ないんじゃないの?」
「はぁ?本当のこと言って何が悪いの~?」
いやらしく口角を上げるその男子は、私を見下して、バカにした態度だった。
「ちょっとぉ、やめなよ~。イジめられたとかって、先生にチクられちゃうよ?」


