気まぐれヒーロー



もし飛野さんの言っていることが本当なら、どこかで会っていたりするんだろうか。


まぁ同じ地域に住んでるんだから、知らないうちに街ですれ違ってたりはするかもしれないけど……。


だとしても、私が飛野さんを覚えているっていうのならわかる。


飛野さんは男前だし、何よりバスケット選手並みの長身だから。


でも飛野さんが何の特徴もない地味キングな私を覚えているのは、不自然なような……。



「お前、なんて名前?」

「花鳥ももです」



そういえばまだ私、飛野さんに名前を名乗ってなかった。

私が告げると、急に彼の顔から笑顔が引いていく。



「花、鳥……?花鳥ってお前まさか……」



真顔になった飛野さんの眼差しが、強くなった。


何だろう……何か思い出したのかな。


少し表情が強張っている感じがする。


飛野さんの口から何が語られるのかと、ドキドキしていると。



「ああっ!タマちゃんじゃねーの!!」



太い声が割り込んできた。

何事かと思えば、わらわらと白鷹ファミリーのおにーさん方が私達の横に並んできた。


す、すごい迫力……!!


私達の半径2メートル以内には、誰も入ろうとしない。