純粋に、私はすごいと感動していた。ここまでくると、もう超人の域だ。
人間なんだろうかこの人。
宇宙人かなんかじゃないんだろうか。
やっぱりさっきハイジが言ったように、顔だけ星人なんだろうか。
とりあえず、起こしてあげないと。このままじゃ危険すぎる。
車にはねられたり、犬のうんこ踏んじゃったりするかもしれない。
「ジローさん、起きてください!敵が来てますよ!!」
と、何の敵かわかんないけどそう声をかけてみた。
すると、バチッと目をすぐに開けたジローさん。
余りの目覚めのよさに私の方が驚いて、体がビクッってなった。
「どこだ敵は!?どれくらいだ!!っつーか……今は朝か昼か、夜かいつなんだ」とかなり焦った様子で、ジローさんはキョロキョロ周りを見渡していた。
どう考えても朝だろうに、どんな感覚してるんだこの人と心配になってしまった。
そして何の疑問も持たずに敵を探しちゃってるけど、いつも敵に狙われるような生活を送っているんだろうか。
っていうか、敵って何なんだ。
「敵はいませんよ、ジローさん」
落ち着きないジローさんに話しかけると、「む……」と彼は視線を下げた。
隣に私がいることに、ようやく気づいたようだった。
「タマ、家出から帰ってきたのか。俺が恋しくなったのか」
私を発見して、嬉しそうにするジローさん。
家出もしてないし『恋しくなった』という言葉に恥ずかしさを覚えつつも、私はジローさんに素直にこくこくと頷いておいた。


