気まぐれヒーロー



そんなくだらないことよりも、私は告白に近い行動にでた女の子とジローさんの成り行きを、ドキドキする鼓動を抑えつつ見守っていた。


決死の表情の女の子。

こちらに背を見せているジローさんの表情は、窺えない。


時折通る通行人は銀髪ジローさんに好奇の視線をくれるも、目が合わないようにすぐに逸らしていく。

そしてもうちょっと離れた場所にいる私達……というよりもマリモ星人なハイジにも、また目を向けては逸らすの繰り返し。


ジローさん、女の子の連絡先受け取るの?どうしちゃうの!?

ごくりと唾を飲み込み、口をぎゅっと横に結ぶ。


一秒がやたら長く感じられた。

ハラハラしていると、不意にジローさんが動き出した。


いっそう緊張感が高まる。


「お前可愛いからペットにしてやるよ」なんて言って受け取っちゃったりして……ペットを増やしちゃったりして……!!

そんなの……ヤダ!!



「……、」


のっそり歩く、ジローさん。


……あれ?


ジローさんは、女の子の前を……通り過ぎてしまった。

何が起きたかわからず、ぱちぱちと瞬きする女の子。


目が点になる、私とハイジ。


ジローさん、まさかのスルー!?
それはいくらなんでもヒドイんじゃ……!?お断りのセリフくらい言ってあげないと、可哀相なのでは……!!


傷ついたのか、悲しそうに俯く女の子。


受け取ってほしくないとか思ったけど、ジローさんの仕打ちにあの子に少し同情してしまう。

けど、話すのはおろか目を合わすのも無理なんだっけ……?


ほんとにスジガネ入りの女嫌いなんだな……


なんて、思っていたら。



ジローさんは道の端の電柱に、正面衝突した。