気まぐれヒーロー



「……お前、けっこうマジで考えてんだなジローちゃんのこと」

「へっ!?そ、そーいう意味じゃなくて、何とかしないと自由の身になれないから考えてるだけであって……!!」

「わかったわかった。ももちゃん、君の気持ちは痛いくらいわかった」



キョドる私に、ニヤッとハイジは不吉な笑みを浮かべる。

うう……コイツのこの笑みは、何となく嫌な予感をさせる!


「ちゃーんと考えてっからよ、俺もそこんとこはな。もも、あの時言ったろ?俺がお前の人生を変えてやるって」

「ええ、しっかり覚えてますとも。あれが悪夢の始まりだったんですからね!おかげですっかり変わっちゃいましたよ!!」


嫌味を込めてハイジにぶつけると、ヤツはまだ何か企んでそうな眼差しを突きつけてきた。


「そうじゃねえよ、アレはそーいう意味じゃねえ。まだこれからだ」

「……どーいうこと?」

「プロジェクトがあるんだよ、お前の人生を360度変えてやるためにな」


いや、うん。一周しちゃってるよハイジくん。

元のへぼへぼ人生に戻ってきちゃってるよ。



「俺はお前に賭けてるんだ」



誤りにも気づくことなく、自信たっぷりにハイジはそう口にした。


ああもう……何なんだろうこの人。


どうしていつも勝手に、事を進めちゃうんだろう。


私絶対また騒動に巻き込まれる気がする……本気でやめてほしい。平穏な日々を返して欲しい。



「ま、そう落ち込むなって。ジローちゃんも一応昔は彼女いたんだ。アブノーマルじゃねえから」



どっと疲れて肩を落とす私に、ハイジの明るい声が沁みる。

そりゃアブノーマルは困るけど……彼女ねぇ……。


……ん?


彼女?


ジローさんに!?あのジローさんに彼女!?


手つないで顔真っ赤になっちゃうのに!?抱擁なんてしようもんなら、鼻血噴いちゃうのに!?


いったいどんな付き合い方してたの!?