「いいな……可愛いな」
またもやジローさんはミツバチジローになりかけ、しきりにそう呟きながら小春に心奪われている。
それから私と小春を交互に見比べながら、彼は一人でうずうずしている。
いったい今ジローさんの頭の中では、どんなジローワールドが展開されているんだろう。
私は怖いもの見たさで、覗いてみたいという思いに駆られていた。
そんなに、小春のこと気に入っちゃったのかなジローさん。
それって……「人間の女の子」として?
だとしたら、白鷹ファミリーのみんなが泡吹いて倒れちゃうような大革命だと思う。
っていうか、ジローさんが普通の女の子と接しているとこを私は見たことがない。
話しかけられたりしたら、どうなっちゃうんだろう。
真っ赤になって無視したりするのかな。
ジローさんの女嫌いって……どういうレベル!?
待てよ。根本的なことだけど……女の子に興味はあるの!?異性は好きなの!?
まさか、男の人が好き……とかじゃないよね!!?
肝心なとこ聞くの忘れてた……!!
いや、でも違うと思う。違うと信じたい。違うはず。
「違いますよねジローさん!?」
ついぽろっと、疑惑をジローさんに突撃リポートしてしまった私。
けっこう私も意味不明発言しちゃってるよね、ジローさんと同じくらい。
当然、ジローさんに「何言っちゃってんのお前」的な白けた目をされると思っていたのに。
「違わねえよ」
えええええ!!!
キングは即答だった。
「何言っちゃってんのお前」って目だったけど、それは「何当たり前のこと聞いちゃってんのお前」の意味だった。
ジローさんが私の頭の中を読んじゃったことよりも、あっさり肯定された事実の方がショックすぎて、なんかもう倒れそうだった。


